まわり道の先に、焼鳥。
料理の入り口は学生時代のイタリアンでした。フレンチを経て再びイタリアンに戻り、本場イタリアで修行しました。帰国後はホテルのイタリアンレストランで9年、そこで出会った師のもとで和食・洋食を5年。静岡のリゾートレストランを経て、プロスポーツチームの選手たちの食事も手がけました。
新たな挑戦をと、焼鳥の道へ進みました。開業を後押ししたのは、父の死という人生の節目でした。「いつか自分の店を」という思いに背中を押され、焼鳥屋の先輩達に教わりながら、自らの店を構えました。イタリアンの経験は料理の引き出しに、和食で培った出汁の技はもつ小鍋のつゆに——歩んできた道が、そのまま皿の上に表れています。
02 — 「たとり」という名前
博多の「タ」と、焼鳥の「トリ」。
二つをつないで、「たとり」。
旅先で親しんだ博多の焼鳥文化への愛着を、そのまま屋号にしました。
なぜ、この鶏・この出汁なのか。
鶏
主力は朝引きの但馬すこやか鶏です。焼鳥屋仲間の紹介で出会い、臭みのなさとやわらかさが焼鳥の土台になっています。
旨みの濃い京赤地鶏は、火を通しきらない一品でこそ活きるため、使い分けています。
もつ小鍋
もつの本場・羽曳野へ自ら足を運び、国産の小腸を選んでいます。
和食で学んだ出汁の技を活かし、自家製の返しであごだし醤油のつゆを仕立てました。飲み干せるあっさりさと、ぷりっとした食感が、リピーターを生んでいます。
酒
日本酒は完全な食中酒として、フルーティーと辛口を半々で揃えています。
自然派ワインは「好きだから」という理由で、揃えるのはこの一択。福岡の焼酎でつくる博多ハイボールも、当店の顔のひとつです。
賑やかな街の、静かな余白。
天六の物件を、居抜きで受け継いだ一軒です。
外から店内は見えず、階段を上がって初めて広がる空間は、賑やかな街のなかの静かな余白になっています。
カウンターは8席分を6席にゆとりを持たせ、腰を据えて飲んでいただけるようにしました。



